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環境資源データベース

豊中市内の池及び川の水鳥調査

冬の水辺には、どんな鳥が飛来しているのでしょうか。  初冬の2000年12月3日に、水域ごとに鳥の種類・個体数を調査しました。 (写真協力:河野猪太夫)
冬の水鳥
豊中市内の池及び川の水鳥調査・調査方法
  1. 調査方法
    ○調査範囲を10区分し、一区画2〜数名が担当して調査に当たる。
    ○各池及び河川ごとの鳥について生息する鳥の種名と個体数を読み所定の用紙に記録する、その際、♀♂及び幼鳥・成鳥の別までは問わない。
    ○池の名前が不明なときはA,B,C・・記号で表示し地図と照合できるようにする。河川については、橋など分かりやすい所で区切り、A,B,C・・で表示する。
    ○調査観察中に移動が見られたときは、飛来・飛び去り別に+・−の記号で記録する、その際両者は原数に含めて記録する。
    ○写真撮影(調査対象の池及び河川が概観できるもの2〜3枚、鳥の生息状況・個々の鳥などは適宜)。
  2. 調査日
    2000年12月3日
  3. 調査協力者(順不同)
    荒井道子・鈴木達夫・丸崎孝子・山田幸子・坂井佳寿美・中川順子・入江すなえ・易信子・易寿史・熊代直生・近藤恵子・杉田福松・三宅史郎・水野辰彦・奈倉武・大久保美秀・中川均・山本光彦・岡恒夫・真野隆夫・河野猪太夫・山口寿・斎藤明・上田峯子・飯島昌・桑島いつ枝
文:河野猪太夫
 
 
調査結果
 2000年12月3日、豊中市内全部の池と河川の一斉水鳥調査を無事に終わり、貴重な結果を得ました。その結果を整理した表について、簡単にまとめてみます。
1.表3「合計」について
調査した池は46ヶ所でしたが、水鳥が見られたのは28ヶ所で61%でした。池と川を合わせて27種類、1483羽の水鳥が見られました。
2-1.表1「池の集計」の池について
○池全体で確認された鳥は、26種621羽でした。
○鳥の個体数が最も多いのは箕輪池の122羽で、これは池全体で確認された個体数621羽の20%にもなります。次が三ツ池の80羽、蛍池78羽で、この3つの池を合わせて280羽となり、全個体数の45%にもなっています。
○生息する鳥の種類で見ると、梶池の10種が最も多く、池全体で見られた26種の38%をここで見ることができます。ついで三ツ池の9種、箕輪池8種、山ヶ池、中ノ池、新宮池の7種と続き、平均すると4種となります。
2-2.表1「池の集計」の鳥について
○今回市内の池で確認された鳥は26種621羽でした。
個体数が最も多く見られたのは、ハシビロガモの178羽で全個体数の約29%にもなり、ついで多いのがヒドリガモの110羽で、この両種だけで全個体数の半数にも近い46%になります。
頻度(ひんど:それぞれの種が見られる回数)で見ると、マガモ・カイツブリ・ハクセキレイ・アオサギがいずれも頻度が9で多く、ついでコサギの8で個体数の多いハシビロガモは7で頻度は多くありません。このことは、同様にハシビロガモやヒドリガモ、それにヨシガモ、ミコアイサなども個体数のわりには頻度が高くありません。このような鳥は群れをつくり、集団で行動する習性があると見ることができます。それにたいして個体数としては多くはないが頻度の高いアオサギやハクセキレイ、コサギ、カワセミなどは群れをつくらず、単独で行動する習性があると見ることができます。
そのように見るとセキレイとサギの類は単独での行動を好み、カモの仲間は群れて行動すると見ることができます。
3-1.表2「川の集計」の川について
○市内の河川で確認された鳥は20種の862羽でした。
鳥の個体数が最も多く見られたのは神崎川の352羽で、全個体数の41%にもなります。ついで猪名川、千里川、高川とつづいています。
○種については猪名川の15種、千里川の10種、神崎川・高川が7種とつづいています。
3-2.表2「川の集計」の鳥について
○ユリカモメが特に多く254羽で全体の29%を越え、ついでヒドリガモが132羽、カワウが79羽となっており、ヒドリガモは池、川とも多いのですが、ユリカモメとカワウが多いのは池と違っているところです。
○頻度で見ると、最も高いのはセグロセキレイ・カルガモ・アオサギの5で、ユリカモメとコサギが4と続いています。頻度と行動の関係については、この表だけでは池のように見ることができません。それは数では1つの川であっても、川は長い形なので、それが群れなのか単独なのかは判断できないからです。
4.池や川と鳥の関係について
○飛来する鳥が多い、あるいは少ないことの条件・原因は何でしょうか。池や川の大きさ、形、深さ、水質、餌の豊かさ、周囲の環境のようす、それに鳥の習性などいろいろ考えられますが、それは調査しつづけながら比較し、検討する今後の課題です。
5.特に注目したい鳥について
  1. オカヨシガモ
    この鳥については、図鑑の解説に「・・・。日本には冬期渡来するが、その数は少ない。北海道では少数繁殖するものがある。近畿地方では冬期所々の池で年々少数を見ることができる」とあるように珍しい鳥です。この鳥が1985年1月4日に新千里東町の安場池に飛来している4羽が見られたのが、おそらく豊中市内で初めて確認された記録です。その2年後に服部緑地公園の山ヶ池に数羽が飛来、以降中ノ池や青池などで観察されるようになりましたが、これが飛来する池は限られています。今回も三ツ池と中ノ池の2ヶ所で確認されていますが、興味深い鳥です。
  2. ヨシガモ
    前の図鑑では「・・・。日本では冬期各地に普通であり、その数は多い」と、意外に思える解説です。というのは、豊中では最も珍しい鳥の一種であり、大阪府内でもこれが観察できる所は数少ないと思われるからです。現に、広く近畿でも知られる昆陽池でも見られる機会は少ないからです。しかし、次の解説に「昼間は海上、広い湖沼の中央部などに群集して生活し、・・・」とあります。即ちこの鳥は、昼間の休息は海上や湖沼といった広い場所を好むのです。したがって、豊中のような小規模な池で見られるのは稀なことなのでしょう。今回の調査では青池のみで確認されていますが、数年前までは新千里北町の樫ノ木池でのみ観察できた鳥で、1997年に青池でも観察されるようになり、この両池を行き来しているとみられ、昨年は青池の方が数が多く見られるようになっていました。今回は樫ノ木池では確認されませんでした。
  3. ミコアイサ
    20年も前になるでしょうか、「伊丹の昆陽池にミコアイサが来ている」と、冬鳥の飛来を楽しみにする人達のあいだで“パンダガモ”との愛称とともに情報が飛び交ったものです。以来、昆陽池ではほぼ毎年のように見られ人気者となっています。豊中では、そこに池があることを知る人も少なく、あまり関心が向けられない走井の梶池にその“パンダガモ”の飛来が確認されたのは、伊丹での状況があってからあまり年数が経過していなかったと思います。比較的珍しいマガモやコガモとともに数羽のミコアイサが梶池で見られることが確認されたのです。以降梶池では毎年のように確認され、服部緑地公園の新宮池や中ノ池でも時折見られるようになり、1993年の1月には蛍池東町の箕輪池に1羽、これが2日間見られたことがあります。
  4. オシドリ
    森林に囲まれた池や谷川を好んで生息するオシドリが、この豊中で見られるのは稀なことで、数年前に島熊山の古池で確認されていますが、ここ新宮池で確認されたのは1998年であったと記憶しています。ところがその後、北へ帰ることなくこの池で夏を越しました。どうも「ネコに狙われたようで怪我をしている」ということですが、そういえば、この新宮池のすぐ西側では、たくさんのネコに囲まれ餌を与えている人を見かけますが、自然との共生をもう少し広い視野で考えてほしいものです。それにしても、よくぞ死ななかったことです。 

文:河野猪太夫